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ひかるの

Author:ひかるの
25年間、ネパール、インド、タイと 
うろうろ歩き回っています。
アジアの工芸、人々の生活を 眼で、
身体で確かめ、伝えていきます。

** 格安にて カトマンズ案内致します **

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懐かしい風景‐01 寺院の上の人たち
懐かしい風景‐01 寺院の上の人たち

 この世界には 激しく変わっていく風景もあると思えば、二十年一日のごとく
 変わらない風景もある。

 パタンの町からカトマンズにやってくると よく通りかかるのが インドラ・チョークだ。
 インドラ・チョークで道は二つに分かれ、一つは外国人旅行者の集まるタメル地区へと
 向かい、もう一つは アッサン・バザールを抜けて、アッサン・チョークへと向かう。

 このインドラ・チョークには 昔からの小さな寺院があり、昼間には 
 そこを商いの場所にして、インド、ネパールの安価なウールショールが売られている。
 その商人たちの一人のネパール人は 20年前からの私の知り合いである。
 20年前は 私ももっと若かったし、彼も同じように若かった。
 その頃から 私の生活も代わり映えもしないが、彼も同じように同じやり方で
 同じ商売をしている。
 この場所を通りかかるとき、互いに顔を見合わせ、笑顔で挨拶するし、
 気が向けば、私もこの寺の上に上がって、人の流れを眺めてみたり、彼と話をしたりもする。
 時には甘いミルクティー(チアー)をご馳走になることもある。
 いつも この寺院の上に上がれば、「チアー カネ(お茶を飲むかい)」と訊かれるが、
 あまり商品が売れていないようだと、「今、飲んできたばかり」と言って 遠慮してしまう。

 カトマンズの外の村から出てきて 20年以上も この場所でこつこつと商いをしながら、
 未だに土地も買えず、家も建てられない間借り生活の彼である。
 結婚し、子供を育て、学校にやることだけで精一杯だった彼の20年である。

 カトマンズにやってくるようになって もう25年になる。
 街の姿は ずいぶん変わってしまったけれど、人々の持つ人懐っこさは健在だ。
 東京であれば、人間同士のかかわりは 求めようとしなければ、なかなか得られないが、
 カトマンズは、そこにいるというだけで、自然に人とのつながりが出来てくるという
 不思議な町である。

 ネパール人は 日本人は金持ちであるという先入観を持っているから、
 確かにそれを目当てに近づいてくる人間もいないではないが、人と人との距離がない
 という面は旅行者を惹きつける大きな魅力のようだ。

 日本で道を歩いている人に声をかければ、怪しがられることも多いし、
 道を訊くぐらいが関の山だが、ネパールでは、小さな問いかけから、話が発展し、
 弾んでくることは当たり前のことである。
 決して豊かに生活しているわけではないが、人と人のかかわりにゆとりを
 感じさせるものがある。
 お金がなくても追い詰められているといった雰囲気がないのである。
 明日はどうにかなるさという楽観主義は 一体どこから生まれてくるのか、
 不思議でならない。
 そんなカトマンズから東京にやってくると 暗い気持ちになってしまうのは
 どういうわけだろう。
 人間が 幸福感を感じることとは どういうことかと考えざるを得ない。
 日本にやってくるネパール人たちは 一体 日本でどういった気持ちで
 生活しているのだろう。


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懐かしい風景 | 09:14:22 | Trackback(0) | Comments(3)
コメント
ひかるのさん、

日本へお帰りなさい。小生は何か、ひかるのさんが帰ってきたので安心しました。
それにしても東京では落ち着かないのでカトマンズのお寺の写真を掲載して、ご自分のお気持ちを休めているのでしょうか?

東京へお帰りになるのは、お仕事なので仕方がないのでしょうか?

日本の様子へのコメントを楽しみにしています。
でも故郷へ帰って、ホッとした気分が心のどこかにあるのでしょうか?

やはり早くカトマンズへお帰りになりたいのでしょうか?
バンコックは近代化し過ぎているようですね。
おやすみなさい、
 藤山杜人
2008-10-31 金 18:30:08 | URL | 藤山杜人 [編集]
ひかるのさん、

なにか感動したので又、「心の故郷はカトマンズでしょうか」という題目で自分のブログへ文章を書いてしまいました。
ひかるのさんの文章を引用しました。
お許し下さい。

お休みなさい、  藤山杜人
2008-10-31 金 19:22:40 | URL | 藤山杜人 [編集]
藤山様

日本に帰国した途端、寒くなって驚いています。
やはり、人は人間関係の網目の中で生きる存在ですから、
ほとんどの人間関係を育ててこなかった東京での生活は
私にとっては 味気ないもののように感じられます。

いつの間にか 25年が過ぎ去り、老後をどう過ごしていけば
いいのかあせっています。
経済的な意味でどうにかしなくては思い、日本に帰ってくるのですが、
なかなか大変です。

やはり、カトマンズにいたほうが、自分の気持ちが開放されるような気もしますが、自分の国ではないから、何か形を作っていかないと
住み着くことも簡単ではありません。
その準備をしなくては考えていますが、なかなか思い通りにはいきません。
今回の日本滞在は その足がかりにしたいと思っていますが、
この金融危機の中、どうなることやら、そんな気持ちになっています。

                              ひかるの
2008-10-31 金 22:39:34 | URL | ひかるの [編集]
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