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ひかるの

Author:ひかるの
25年間、ネパール、インド、タイと 
うろうろ歩き回っています。
アジアの工芸、人々の生活を 眼で、
身体で確かめ、伝えていきます。

** 格安にて カトマンズ案内致します **

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エピソード ネパール-06 泥棒侵入未遂

 夜の午前1時過ぎのことである。
 コンピューターを消して、そろそろ寝ようかと思い、台所に向かい、台所のすぐ外に
 つながるベランダのドアを閉めにいく。
 夕食のおかずに魚のから揚げをしたものだから、台所に油がこもっていた。
 それの換気のためにドアを開けたままにしておいたのだ。
 ドアの網戸は、一応 簡単な鍵をかけて置いた。
 
 ドアのところに行き、ドアを閉めようとすると、開いたドアの隙間、網戸の向こう側に
 人間の手が見えるではないか。
 なんだ、なんだと、これはなんだ。どうして、こんな所に、人間の手が。泥棒である。
 咄嗟に ドアの取っ手を掴み、大きな音を立ててドアの開け閉めを何度も繰り返す。
 とにかく、何はともあれ、眠っている近所の住民を起こすのだ。
 ドアを開けて、泥棒の顔など、見たくもない。捕まえることなど、もっての外だ。
 大立ち振る舞いなどとんでもないことだ。
 
 激しいドアの開け閉めの音で、近所の住民が、起き出して、騒ぎ始めるのが聞こえる。
  「ケ・バイヨウ、コホ?」(どうしたんだ、一体誰だ?)ドアの大きな開け閉めの音
 誰かが、家に入れず、ドアを、叩いていると思ったらしい。
 近所の部屋の明かりが 次々に 赤々と灯り、皆、窓から乗り出すように
 顔を出している。
 
 危機一髪のところだった。
 もし一足遅れれば、台所には、凶器になる包丁類が、あったのだ。
 それも良く切れる日本製の包丁が…。
 そんなことを思うと、アドレナリンが噴出すのが、自分でもわかる。

 泥棒が入りそうになったことを 起き出した近所の人に説明する。
 後で網戸を見ると、鍵のある箇所の網戸が破かれている。
 すぐ裏の家の大家も置きだし、
  「又、来るだろうか。」と言う。
 とんでもない話である。又、来られてたまるものか。
 近所の人たちは、起きだしてきているのに、私の家の大家の家族は、起きて来ない。
 階下に住んでいる学生たちも起き出さない。全く、奇妙な話である。
 全く 入るところを間違えたんじゃないかと、泥棒に言いたくなる。

 私の住んでいる近所の家は、間借りの借家人が多い。
 一体どういう人間が、住んでいるのか さっぱりわからないのである。
 私の住んでいる家は、路地の奥まったところにあり、裏に一軒あるだけである。
 用事がなければ、誰も入ってこないし、家の裏にあるベランダのドアが開いている
 ことなど、余程のことがない限り、気づく者はいない。
 台所の電気は つけっ放しにして置いたのである。
 どう考えても、近所の者の仕業以外には、考えられない。
 私が一人で住んでいることは、近所の者は皆知っている。
 お金に困った近所の間借り人である可能性は、大いにあることである。
 
 泥棒のことなど、他人事のように思っていたが、物騒な世の中になったものである。
 今の家に住んで、15年近くになるが、こんなことは、一度もなかったのである。
 カトマンズに人が増え、人の出入りも激しくなり、誰が住んでいるのか、皆目、
 わからなくなってしまっている。怖いカトマンズである。


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