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ひかるの

Author:ひかるの
25年間、ネパール、インド、タイと 
うろうろ歩き回っています。
アジアの工芸、人々の生活を 眼で、
身体で確かめ、伝えていきます。

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カトマンズ ネワール族 仏教徒の悲哀‐4
ネワール族 仏教徒の悲哀‐4 1

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ネワール族 仏教徒の悲哀‐4 8

ネワール族 仏教徒の悲哀‐4 9


 ネワール社会にカースト制を導入したジャスティス・マッラ王の時代から、ヤクシャ・
 マッラ王の時代までの百年、栄華を極めたマッラ王国だったが、ヤクシャ王の6人の息子による
 後継者争いから王国は バクタプール、パタン、カトマンズと三つの王国に分かれてしまう。
 ヒンズー教色の強いバクタプール、仏教色の強いパタン、ヒンズー教と仏教が混然としていた
 カトマンズ、それは サッキャ、バジャチャーレ、ウダースを中心とした仏教徒の人口比の多少に
 よるものだろう。

 一人の国王を中心に 国を支配していくという体勢が崩れ、マッラ王国の国力は分散していく。
 バクタプール、パタン、カトマンズの三つの王国同士の争い、あるいは王国内での後継者争い、
 それに群がる王国を支えていたシュレスタ・カーストの争いも頻発しただろう。
 そうした不安定な時代が 三百年にわたって続いていくのである。
 その間、カトマンズを取り巻く状況は急激に変化しているにもかかわらず、
 三つの王国同士の争い、後継者を巡る支配階級内の争いに明け暮れ、
 カトマンズの外の大きな変化には対応できなくなっているのだ。

 インドではイスラムのムガール王国の成立、イスラム勢力との争いに敗れた多くのインドからの
 クシャトリア(チェットリ族)の移住、そして 彼らのネパールでの各地での支配体制の確立にも
 目を向けないまま 三百年の時が過ぎていくのである。

 ゴルカを本拠地にすえたチェットリ族の豪族 トックリ・サハチェットリは 耽々と
 カトマンズ進出を狙っている。
 ゴルカ王朝の始祖、プリティビ・ナラヤン・サハは行儀見習いと称して、バクタプールに入り込み、
 カトマンズ盆地の状況を探り、カトマンズ侵略の手立てを練るのである。

 三百年、カトマンズの外の世界に眼を向けることのなかった三つの王国には訓練された
 軍隊すらなかったのだ。
 絶えず内紛に明け暮れていたカトマンズ盆地の中では、ネワール族のまとまりも
 失われていたのだ。
 強固なカースト制を作り上げた支配下級のシュレスタ・カーストと被支配階級の溝は、
 広がっている。

 そんな状況を見て取ったプリティビ・ナラヤン・サハは兵を起こし、兵士として
 訓練したグルン、マガール族を先頭に立て、1768年に兵力に欠けるカトマンズを
 いとも簡単に征服してしまうのである。

 チベット、インド貿易に従事していた仏教徒のサッキャやトゥラダ・カーストの人たちは
 カトマンズの外で起こっている変化には充分に気がついていたはずである。
 外国貿易に従事していたものが、カトマンズの外の状況の変化に無関心なはずはないのだ。
 被支配階級にいた仏教徒たちは 権力の中枢にはおらず、ただひたすら貿易・商業、
 そして生産に従事していただけだ。
 ヒンズー教を信仰する支配階級 シュレスタ・カーストの人間たちは 被支配階級で
 あった仏教徒 サッキャ、トゥラダ・カーストの声などには耳も傾けなかっただろう。
 皆、それぞれカーストの内側に閉じこもり、視野をどんどん狭くしていく。
 カースト間の交流はなく、正確な情報を得ることも出来なくなっていた。
 こんな状況では国家を苦難から救うことは出来ない。
 今のネパールも 別の形で同じ状況にある。
 カースト間の交流の無さが、民族間の交流の無さに変わっているだけだ。
 それが互いに理解しあうことを阻害し、国の発展を妨げ、混乱を生み出しているのである。


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カトマンズ ネワールの街と文化 | 00:39:19 | Trackback(0) | Comments(0)
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