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ひかるの

Author:ひかるの
25年間、ネパール、インド、タイと 
うろうろ歩き回っています。
アジアの工芸、人々の生活を 眼で、
身体で確かめ、伝えていきます。

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ブータン布の今昔 野蚕の手紡ぎシルクのキラ ブータンの赤‐05
ブータン布の今昔 野蚕の手紡ぎシルクのキラ ブータンの赤‐05 1
  ブータン   野蚕シルクのキラ  メンシィ・マタ       20世紀中期

ブータン布の今昔 野蚕の手紡ぎシルクのキラ ブータンの赤‐05 2

ブータン布の今昔 野蚕の手紡ぎシルクのキラ ブータンの赤‐05 3

 この野蚕シルクのキラ メンシィ・マタも20世紀中期頃に織られたものである。
 色も天然染料が使われている。
 天然染料だけで染められた野蚕の手紡ぎシルク糸で織られたキラは 
 落ち着いた色調になっている。

 ラックカイガラムシから取り出した染料によって染められた赤、赤と書いているが、
 紅といったほうが正しいのかもしれない。
 藍染めで染められた青、ウコンの黄色、藍とウコンで染められた黄緑、
 これらの色の組み合わせの中で、キラ メンシィ・マタが 美しく織り上げられている。
 インドからの化学染料も 少しずつは 入り込んでいたのだろうが、
 この時代はまだまだ天然染料による染めが 主流であった時代なのである。

 この時代、ブータンでも 野蚕のシルクのキラを着るというのは 一般的ではなく、
 上層階級の衣装であったに違いない。
 平民が着る機会があるとすれば、使用人として働き、褒美としてキラを主人のキラを
 貰い受けて、それを身につける。
 着たきりすずめに近い平民たちは それをぼろぼろになるまで着込むから、布の状態が
 悪くなる。
 上層階級の女性であれば、何枚もキラを持っているから、保存状態がいいのである。
 だから、基本的には 傷み具合でその古さを判断することは出来ない。
 使っている糸、染められている糸、紋様から 古さを判断するより仕方がない。
 紋様など 時代時代で流行があったようだから、大きな決め手にもなる。

 この頃では 紋織りに使われる紋様の種類も少なくなっているようだ。
 織り子の知っている紋様の数が少なくなっているし、多くの種類の紋様を織り込む
 ことも必要なくなっているのだろう。
 このキラのように多くの種類の紋様が織り込まれているのは 古い布だけである。
 だんだん面倒なことは やらなくなっているのである。


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ブータン布の今昔 | 22:12:50 | Trackback(0) | Comments(0)
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