■プロフィール

ひかるの

Author:ひかるの
25年間、ネパール、インド、タイと 
うろうろ歩き回っています。
アジアの工芸、人々の生活を 眼で、
身体で確かめ、伝えていきます。

** 格安にて カトマンズ案内致します **

■最近の記事

■Automatic translation WEB site
■最近のコメント
■最近のトラックバック
■月別アーカイブ
■カテゴリー

■FC2カウンター

■あしとも

■ブログ内検索

■RSSフィード
■リンク
■ブロとも申請フォーム
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


スポンサー広告 | --:--:--
ブータン布の今昔 ブータンのスカーフ ラチュー(02)
ブータン布の今昔 ブータンのスカーフ ラチュー(02) 1

ブータン布の今昔 ブータンのスカーフ ラチュー(02) 2

ブータン布の今昔 ブータンのスカーフ ラチュー(02) 3

ブータン布の今昔 ブータンのスカーフ ラチュー(02) 4

ブータン布の今昔 ブータンのスカーフ ラチュー(02) 5

ブータン布の今昔 ブータンのスカーフ ラチュー(02) 6

ブータン布の今昔 ブータンのスカーフ ラチュー(02) 7

ブータン布の今昔 ブータンのスカーフ ラチュー(02) 8

 昨日、今日と 雨が降り、ブータンの古い布を洗濯しても 乾きが悪く、
 乾かなければ 写真を撮ることも出来ない。
 日本出発も あと4日を残すだけである。
 晴れないと 室内の光も充分でなく、色を正確に写し出すことは難しい。

 ブータンの女性用の正式な衣装のキラ クシュタラやノシェムを着たときに 
 身に付ける野蚕のシルクスカーフ ラチューには 大きく分けて2種類ある。
 一つは 縞柄のスカーフの両端に縫い取り織で紋様を施したものと もう一つは 
 えんじ色に染めた糸で織り上げ、その両端を縫い取り織で紋様を施したものだ。
 そのえんじ色は ラックと呼ばれるカイガラムシの色素を使って出すものである。

 ブータンの赤系の色は このラックと茜を使って染められる。
 近頃では どうも化学染料を使うことが多くなり、ラックを使うことも少なくなって
 いるようだ。
 1980年以降は天然染料よりも化学染料のほうが多く用いられるようになっている。
 簡単に染めることが出来る、色がはっきりしているといったことが化学染料を使って
 しまう理由だろうが、天然染料は 時間が経てば経つほど、味わいが出てくるが、
 化学染料を用いたものは 色あせて薄汚くなっていくだけである。
 染めたり、織ったりするものにとっては 10年後、50年後に色がどうなっていくか
 など興味のないことで、日常生活の中で使うものなら、簡単に染めることの出来るもの 
 方の便利であることは確かだ。
 彼らにとっては 織物や染色は趣味の世界でなく、生きるための手段であれば、より
 簡単な方法でというのは仕方のないことなのだろう。

 写真で紹介したラチューの1番目、2番目のものは 百年近く前に織られ、
 ラチューの地の染料にはラックが使われ、紋様部分も天然染料が用いられているが、
 1980年以降に織られたラチューでは地は化学染料、紋様部分には アクリル毛が
 使われている。
 地の部分は使っているうちに色あせてくるが、アクリル毛部分は いつまで経っても
 色落ちせず、そのままの色を保つというおかしなバランスの布になる。
 ポリエステル、レーヨンと色の変質しない素材が 1980年代以降には 隣国の
 インドからどんどん入り込んできて、ブータンの染織の世界をどんどん変えていく
 ことになる。
 最近では 若い女の子たちは 普段はキラを着ず、ジーンズやTシャツ、ブラウスを
 着るのが一般的になっていると聞く。

 生活の中での使用頻度が少なくなれば、ブータンの染織の世界も 観光客相手の
 土産物の世界になっていくだろう。
 日本が戦後、伝統の世界を失っていったように、ブータンもだんだんと伝統の世界を
 失っていくのだろう。
 アジアの文化・伝統が失われ、欧米化していくことで アジア人としてのプライドも
 失われていくような気がしてならない。
 宗教が力を失っている日本では アイデンティティの維持は 他のアジアの国々に
 もっと大変なことなのかもしれない。
 違った人間の歴史を持つ欧米人とアジア人、肉食系と草食系、個人主義と共同体主義、
 論理的世界と情緒的世界、欧米化していくことで こうした面をどう折り合いをつけていくのか、
 大きな問題である。

 衣食住という生活の根幹が欧米化していくことだけで アジア人の持つ情愛の世界まで
 不安定なものになっていると思うのは私だけだろうか。





ブータン布の今昔 | 10:03:59 | Trackback(0) | Comments(0)
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。