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ひかるの

Author:ひかるの
25年間、ネパール、インド、タイと 
うろうろ歩き回っています。
アジアの工芸、人々の生活を 眼で、
身体で確かめ、伝えていきます。

** 格安にて カトマンズ案内致します **

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バンコク 市場のそばの路地裏の世界
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バンコク 市場のそばの路地裏の世界 11

バンコク 市場のそばの路地裏の世界 12

 昔からある古い市場の入り口近くには 人々を楽しませる映画館があったりする。
 セン・セーブ運河の向こう側の下町の市場の近くにも 同じように映画館がある。
 バンコクの中心的な消費センター サイアムスクウェアーから歩いて15分ばかりの
 この下町の映画館は サイアムスクウェアーにある数多くのモダンな映画館に押されて、
 今は寂しく閉鎖されてしまっている。
 地方の町 パッチョンやコンケンに住んだときも 街の中心には必ず古びた映画館が
 あり、そこに住む人々の楽しみの場所だった。
 それは私の幼かった頃の日本の地方の町でも同じことだった。

 今は閉じてしまった映画館の横には その映画館を挟むように 市場へ向かう細い路地 
 と市場に平行したもう1本の路地がある。
 市場が造られたときに 市場に平行した二つの路地には棟割長屋のような細長い建物も
 同時に建てられたようだ。
 その路地の一つに入り込んでみた。

 細長い棟割長屋のような建物が 路地の両側に 100メートルばかり続いている。
 この建物は 最初はこの近辺に住むイスラム教徒が 賃貸し用に建てたものらしいが、
 今は 部屋ごとにバンコクにやってきた中国人たちに買い取られているようだ。

 各棟の1階部分は 洋服の仕立ての作業場、指輪、ブレスレットを加工する作業場など
 に使われている。
 日本の昔の小さな下町の作業場を思い起こさせて 懐かしい気分にもなる。
 仕事をしている人々の大半は通いの人々で 大半は地方から出稼ぎにやってきた人々だ。 
 2階部分に 家の持ち主は住んでいるらしく、ここに住み着いている中国系タイ人の
 家族のための雑貨屋、駄菓子屋などもところどころにある。
 大半のものは 市場で手に入るが、急ぎで必要なもの、子供の遊び道具などは 
 この路地にある店が重宝するのだろう。

 この路地の他にも 市場周辺には この路地に似た路地がいくつもある。
 6,70年以上まえから これらの路地に住み着いている人々であり、中国系タイ人の人々で
 あれば、今は、4,50歳になっている人たちの父母が 中国本土から出稼ぎにやって来て 
 ここに住みつき、子供である彼らが生まれ、そのまま住み続けている人たちである。
 うまく時流に乗って成功した中国人たちは この地区を出て行ってしまったのだろうが、
 生活することで精一杯の中国人たちは ここを出ないで、そのまま庶民の生活を
 続けているのだ。
 それでも地方からやってきた出稼ぎの人々に比べれば、ゆとりのある生活をしている。

 子供が居て、若者が居て、老人も居るというごく当たり前の生活がここにはある。
 夕方になり、午後7時を過ぎると 仕事をする人たちが 作業場の主人の家族とともに
 夕食を囲んでのひと時があるし、仕事仲間とその日の疲れをともに癒しながら、
 酒を飲みあう姿もある。
 働き、飯を食べ、酒を飲み交わし、1日が のんびりと流れていく。
 本当は 人間の生活は これで充分なはずである。
 贅沢な生活を見せつけられるから、贅沢な生活が必要になる。
 そのために無理な仕事をすれば、人と人との関わりの時間も世界も失われてゆく。
 テレビなんか見なくても 仲間同士でもゆったりした語らいがあれば充分ではないか。
 市場で安い惣菜を買ってきて、それを肴に酒を飲む、それで満足していた生活は
 どこに行ってしまうだろう。

 気楽で気さくで 無理のない当たり前の喜びや楽しみ、それが失われ、
 無理な刺激的な生活を求め、ますます心は貧しくなる。
 せめてアジアだけは こうした伸びやかなゆったりした時間が流れてほしいものだ。


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バンコク風情 | 16:41:30 | Trackback(0) | Comments(2)