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ひかるの

Author:ひかるの
25年間、ネパール、インド、タイと 
うろうろ歩き回っています。
アジアの工芸、人々の生活を 眼で、
身体で確かめ、伝えていきます。

** 格安にて カトマンズ案内致します **

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ネパールにあるハンディクラフト‐5 タンカ
タンカ 1

タンカ 2

タンカ 3

タンカ 4

タンカ 5


 ネパールの名高い工芸には タンカがある。
 チベット密教を信仰する仏教徒 タマン族の描くチベット・タンカとネワール族の
 チットラカール・カーストの描くネワール・タンカと2種類ある。

 この二つ どう違うかとは はっきりしたことは言えないが、タマン族の描くチベット・
 タンカは 徒弟制の下に描かれる。弟子を取り、タンカを描くのに必要な描画技法を
 身につけさせると、その技術の習得度に合わせて、タンカの各細部を描く仕事を与え、
 師匠が最後に顔を書き入れるという分業で成り立っている。
 だから、芸術というより工芸といった方が良いだろう。
 使う色彩、色合いの変化はあっても、基本的な図柄は伝統的なものに頼っている。

 ネワール・タンカの場合は、一人の人間が一枚のタンカを 最後まで描き上げる場合が
 多く、タンカの図柄も個人の創意工夫が生かされる要素が多い。
 チベット・タンカに比べると リアリズムが入り込むことも多く、描かれている顔の
 表情などを見ると、イラストのような感じを受けることもある。
 ネワール族の人の話によれば、タンカはもともとネワール族が始め、それがチベットに
 伝わり、チベット密教を信仰するタマン族が チベットから伝わってきたチベット・
 タンカを描くようになったと言うが、定かではない。

 チベット、ネパールの山岳地方のチベット密教の修行寺では、チベット密教の僧侶が
 チベット・タンカを描くこともあるようだ。
 タンカといっても曼荼羅を描くことが多いようだ。

 旅行者の集まるタメル地区に行くといたるところにタンカの店がある。
 こんなにたくさんの店があって大丈夫なのか、高い店賃を払って、やっていけるのだろうかと
 心配になる。
 もう限界点に達しているのではないかとも思えてくる。
 土産物としては案外高価だし、買って帰っても どこにでもおけるという代物ではない。
 宗教的な意味合いを持つものは、扱いがなかなか難しいのである。

 そこで私が提案したいのは、タマン族のチベット・タンカ絵師の熟練した描画技法を
 他の工芸に生かせないかということである。

 日本には昔から、漆塗りの優れた工芸がある。ネパールには木工の技術もある。
 日本の漆を禿山になったカトマンズ周辺の山々に植樹し、漆を取り出し、木工製品に
 漆塗りを施す。
 絵師は あぶれたチベット・タンカの絵師を使う。
 何か面白い工芸が生まれると思うが、どうだろう。
 ネパール人の持っている伝統的な技術をうまく組み合わせる。
 それに日本の伝統的な工芸の技法と組み合わせる、そういった援助の方法もあるのではと思う。
 ネパールの工芸の伝統と日本の工芸の伝統がうまく融合すれば、魅力的なものが
 生まれてくると思う。
 村起こしにも繋がるし、ネパールの工芸の発展につながり、新たな雇用の機会にも
 繋がっていくだろう。
 
 タンカの描画技法は 繊細で熟練を必要とするものだ。タマン族の人たちはその手を持っている。
 安っぽいいい加減な土産物品ばかりのカトマンズ、質の高い工芸品が新たに出来上がることを
 期待している。
 日本の海外援助ももう少し、きめ細かくあってほしいものだ。


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ネパールにあるハンディクラフト | 22:56:50 | Trackback(0) | Comments(0)
ネパールにあるハンディクラフト‐4 ヘンプ、イラクサの布
ヘンプ、イラクサ 1

ヘンプ、イラクサ 2

ヘンプ、イラクサ 3

ヘンプ、イラクサ 4

ヘンプ、イラクサ 5

ヘンプ、イラクサ 6


 ネパールのイラクサ(アロ)に出会ってから、20年近くなる。
 パタンのクポンドールにある小さな店においてあった。
 若い女の子たちの店で、東ネパールの山奥が郷里の女の子たちだった。
 イラクサの繊維は 東ネパールのコシヒルと呼ばれる場所で作られているようだった。
 当時は、素材そのものの持つ自然の色を使わず、糸を漂白して その糸でストールや
 ショールを編み上げていたが、糸そのものの紡ぎは荒いものだった。

 近頃はエコーブームの影響か、イラクサの繊維の自然の色を生かすようになり、
 紡がれた糸も細い繊細なものに変ってきた。
 それと同時にイラクサの細く紡がれた糸を使ってのショールなども凝った素敵なものに
 変ってきている。
 この編みの技術を使って、夏用のざっくりしたカーディガン、Tシャツの上に重ね着
 する半袖のゆったりしたサマーセーターを作れば、洒落たものになると思う。
 是非このレベルまで行ってほしいと思う。
 デザインさえ良ければ、アンデルセン童話の中の「白鳥の王子」の中のイラクサ同様
 夢のある目玉商品になるだろう。

 ネパールのヘンプ(麻)の加工はまだ荒っぽい。中国やタイの麻の加工品に比べると
 質、技術の点で劣る。
 日本の若者たちの間では流行っているようだが、どう見ても頭陀袋をかぶっているよう 
 でいただけない。糸の紡ぎの精度をもっと工夫する必要があるだろう。

 昔、タメルで知り合ったバウン族の若者がいる。他の人の店で店員として働いていた。
 煙草も吸わず、酒も飲まず、煙草と吸うくらいなら、少しでも食べ物にお金を掛けると
 いった賢い若者だった。
 その店で見かけなくなり、心配していたら、店と店の狭い隙間に露店に近い店を出し、
 自転車でそのそばを通りかかると、声をかけられてびっくりしたことがある。
 それから、何年かすると、タメルの入り口に古い建物だったが、店を借り、店の主に
 なっていた。
 ヘンプやイラクサなどの専門的な店である。
 ネパールでは主人になると太るものらしく、10年前はがりがりだった細い体も 恰幅が
 良くなり、店の主人らしくなっていた。
 頑張っているようである。

 こういう頑張りが出来る賢さが バウン族(ヒンズー教の高カースト 僧侶階級)には
 ある。見通しが利くから、商売にも向いている。
 政治の世界では 悪徳の限りを尽くしているが、商売の世界では地道に頑張っている
 ようだ。
 カトマンズでは 主だったバザールの商人はネワール族で占められていたが、
 この頃はバウン族が多く進出してきている。

 ヘンプ、イラクサ製品の店を出している昔からの知り合いのバウン族の主、
 これからも 上を目指して頑張ってももらいたいと思うが、センスがもう一歩である。
 店の中にコンピューターも置き、商売の形は本格的になってきているが。


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ネパールにあるハンディクラフト | 14:55:39 | Trackback(0) | Comments(0)
ネパールにあるハンディクラフト‐3 カシミール刺繍
カシミール刺繍 1

カシミール刺繍 2

カシミール刺繍 3

カシミール刺繍 4


 カトマンズの街に インド カシミールの刺繍のショール、ジャケットなどの店が
 増え始めてから もう 何年になるのだろう。
 かれこれ、20年近くにはなるだろう。
 カシミールの店の増加は インド カシミール紛争の激化に平行している。
 インドの有名な観光地 カシミール地方が分離独立のために紛争を勃発し、観光客が
 激減し、カシミール刺繍の工芸品が売れなくなり、その商人たちが、カトマンズに
 移ってきた。

 かなりの数のカシミール刺繍製品の店が増えたために、カトマンズのタメル地区の
 ネパール人たちが借りていた店の店賃は、どんどん値上がりしていったのも本当だ。
 カシミール商人が 店の持ち主のいいなりに店賃を払ったからだ。
 インドと違って、ネパールでは 店を借りているものに対する法的な保護はない。
 店賃の値上げは、建物の持ち主のいいなりである。
 文句を言えば、他にも借り手がいるから出て行けということになる。

 インドのニューデリーのババカラシン・マルグ辺りにも 冬場になると、カシミール製品の
 仮設バザールが開かれていた。
 紛争に明け暮れるカシミールでの売り場を失った商人たちが、売り場所を求めて開いた
 バザールだ。

 この頃では、本場インドに行くより、ネパールのカトマンズのほうが、カシミールの刺繍製品は
 多いくらいだ。
 デリー、カルカッタへ行ってもこれだけのカシミール商品の店が集まっている場所はない。
 カシミールと呼ばれるぐらいだから、カシミール地方は上質のウールの生産地でもある。
 上質のウールに刺繍されたショールの肌触りと軽さは 素敵である。
 ただそれを見分けるには ウールに対する鋭い目が必要だ。
 ついつい刺繍に目を奪われ、ウールの質を見分けることを忘れてしまう。
 
 近頃では、春・秋物を狙って、シルク布に刺繍したジャケット類も増えてきた。
 ただ、ジャケットのデザインが昔から変っておらず、袖が細くて着にくいものもある。
 ジャケットに刺繍するのではなく、洋服の型紙に合わせて書き込まれたウールの上に
 刺繍をしていき、刺繍が仕上がると、切り取り、縫製していくために ジャケットの
 デザインの豊富さは望めない。

 カシミールには二つのタイプの刺繍がある。
 1つはアリ刺繍と呼ばれ、細い10センチくらいの棒のような器具を使って刺繍して
 いくもので、インド・ラジャスタン、パキスタンでは、皮の民族靴の刺繍にも利用されている。
 もう1つは、シヨ刺繍と呼ばれ、針を使って施す刺繍である。
 どちらにしても、気の遠くなるような手間を要するものだ。
 カトマンズのタメル地区の土産物屋の通りでは 一際、色彩の鮮やかさと工芸の質の
 高さが目立つ。
 
 カシミール商人は昔から、ぼるので有名だから、すぐに買ってはならない。
 何軒も店を回って値段を確かめる必要がある。値段交渉はそのあとだ。
 インドやネパールでは こうした土産物を買うのも一苦労である。
 買ったものが他の店では 半分の値段で売られていたということもよくある話だ。
 値段交渉を楽しむぐらいの気持ちでいないと、安く土産物を買うことは出来ない。
 カシミール商人の店では 特に要注意である。
 くわばら、くわばら!


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ネパールにあるハンディクラフト | 12:18:41 | Trackback(0) | Comments(0)