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ひかるの

Author:ひかるの
25年間、ネパール、インド、タイと 
うろうろ歩き回っています。
アジアの工芸、人々の生活を 眼で、
身体で確かめ、伝えていきます。

** 格安にて カトマンズ案内致します **

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カトマンズ 石の彫刻 仏塔‐2 マティア家の仏像
石の彫刻 仏塔‐2

石の彫刻 仏塔‐2 2

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 迷路のようなカトマンズの路地を歩き回っていると、ネワール族の様々なカーストの
 人たちの居住区に入り込んでしまう。
 今日もそんな場所に入り込んでしまった。

 石畳の日の当たらない路地裏を歩いていると、広場のような場所に出てしまい、
 所謂 ネワール建築とは趣と異にする建物に出会った。
 ラナ家専制時代に建てられたような建築様式だ。
 一帯どういうカーストの人々が住んでいるのかと、辺りにいる人たちに尋ねてみると、
 この辺りには、マティアと呼ばれるカーストの人たちが多く住んでいるとのことだった。
 初めて耳にするネワール族のカースト名である。
 どんな仕事に携わっている人たちなのか、尋ねてみると、主にインドとの貿易に係わっている
 人たちだと言う。

 広場の一角にパティと呼ばれるこの地域の人たちが集まる寄合い所がある。
 その中で何人かの人たちが集まって、のんびり座り込んでいる。
 その中にマティア・カーストの人も混じっている。
 この人物にマティア・カーストについて尋ねてみると、自分たちはネワールのシュレスタ
 ・カーストに属する、そして、そのパティの中に飾られている写真を指し示し、
 この写真の人物が、何代か前の祖先だと言っている。
 どうもこの一族、ラナ家専制時代にかなり高い地位についていたらしい。
 写真を見ても、いかにもそれらしい服装をしている。
 もともとはインドからやって来た人たちのようで、もしかしたら、この時代にシュレスタ・カーストの
 地位を得たのかもしれない。

 シュレスタ・カーストというのは、マッラ王朝時代の支配階級である。
 マッラ(王族)、ジョイシー、ラーズバンダーリ、マスケ、アマチョ、カルマチャーレ等が 
 シュレスタ・カーストに属し、マッラ王国を支配したのである。
 彼らは、仏教徒であるサッキャ、バジャチャーレとは違って、ヒンズー教を主に信仰する人たちで
 ある。

 パティの中にいたマティア・カーストのその人物が、自分の家に仏陀の像があるから、
 見せてくれると言う。
 ヒンズー教を信仰するマティア・カーストの家にどうして仏陀の像があるのか、
 不思議に思いながら彼の後をついていくと、入り口を入った中庭には、
 ヒンズー教のシバを祭っている祠がある。
 そこを通り越して奥に入っていくと、又広場があり、広場には仏塔が並び、
 その正面には やはり、祠のようなものがある。
 中を覗きこんでみると、そこには石造りの立派な仏陀の像がある。

 どうしてこんなところに仏陀の像があるのかと尋ねると、この場所は遠い昔には、
 マナンダール(食用油を作る職人カースト)という仏教徒カーストが住んでいた、
 そのあとに自分たちのカーストの人間が住みついたと言う。

 一体何が起こったのだろうかと好奇心も湧いてくる。この時代、ラナ家が 
 自ら マハラジャと名乗り、国王を幽閉し、好き勝手なことをしていた時代である。
 ラナ家に逆らえば、たちまち首をはねられる時代だ。
 この場所から消えたマナンダールの人々に何が起こったのだろうか。
 ラナ家の王宮の中で力をつけたマティアの人々が、そのあとに住み始める。
 何かおどろおどろしいことを 想像してしまう。
 ラナ家の人間は、絶えず血で血を洗うような争いをしてきた人たちだ。
 カトマンズ市民にとっては、ラナ専制時代は恐怖政治の時代でもあったのだ。
 今でもその時代の怖さは、カトマンズのネワール族の間では語られ継がれているので
 ある。

 真実は闇から闇へと葬られ、真実を知っているのは、あの祠の中の石造りの仏陀の
 像だけである。
 様々の歴史を持つカトマンズ、その歴史を探る興味、好奇心は尽きない。
 敗者、被支配者の歴史は、記録には綴られない。伝承を通じてだけ、伝わっていくのである。


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カトマンズ 街の風景 | 22:27:17 | Trackback(0) | Comments(0)
カトマンズ 石の彫刻 仏塔‐1
石の彫刻 仏塔‐1 1

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石の彫刻 仏塔‐1 10

石の彫刻 仏塔‐1 11

石の彫刻 仏塔‐1 12


 パタンの旧市街を歩いていると、石を刻んだ彫刻の店に出会った。
 中を覗きこんでみると、一人の男が、石に彫刻を施している。その脇には彼の妻らしい
 女がいて、彼の仕事を手伝っている。
 彼は、ネワール族の職人カースト シラッカールに属する人である。
 
 ネワール族のカーストには、ネワール語でウリャ、ネパール語でウダースと呼ばれる
 仏教徒のカーストがある。彼らは、同じ仏教徒のバジャチャーレ、サッキャの下に
 位置するカーストだ。
 このグループの中には、トゥラダー(チベット・ネパール貿易に従事した人々で、
 サッキャとチベット人との通婚によって出来たカーストであると言われている)、
 タムラカール(銅、真鋳の器と作る)、シルッパカール(木彫り職人)スタビー(宮大工)、
 ダーズカニカール(お菓子、ロティと作る)等がいる。
 
 ネパールにヒンズー教が広まるに従って、仏教徒の中にもカーストが生まれていったのである。
 ヒンズー教を信仰するときの支配者に従順の姿勢を見せる方策であったのかもしれない。
 それはカーストを否定し、人間の平等を説いた仏陀の教えとは矛盾するものであったが。

 カトマンズ、パタン、バクタプールの街には、仏教を信仰する人々の住む地域には
 仏陀の像を刻んだ仏塔がたくさんある。
 シラッカールと呼ばれる職人たちの彫った彫刻である。
 中には千年を越えた仏塔もあるはずだ。シラッカールという職人たちの歴史が仏塔には
 刻まれているはずだ。

 そんな仏塔を探して、街の中を歩き回ることは、楽しく興味深いものである。
 しかしこうした仏塔のほとんどは、トンネルのような門を潜った広場に置かれていて、
 観光客の目に留まらないことが多い。
 その広場も1つの家系の一族の住んでいる場所で、その広場の周りに住居が建てられている。
 その広場の中に置かれている仏塔は一族集団の個人的な所有物である。
 その一族集団のことをグッティと呼んでいる。
 バジャチャーレやサキャの人たちは、そのグティの広場にビハールと呼ばれる仏教の
 礼拝所を作り、その周りに石造りの仏塔を置いている。
 その場所はグッティのメンバーの仏教信仰の中心的な役割を果たしている。
 バルタマンと呼ばれる少年たちの通過儀礼もこの広場で行われ、少年たちもその儀礼を通して、
 宗教組織の1員になる。

 そんな場所の広場に長年にわたって住み続けてきた人々の歴史を優しく見つめてきたのが 
 仏塔たちである。

 長い年月を経た石造りの仏塔は、時間と風雨にさらされながらも、遠い昔にこれを
 刻んだシラッカールたちの信仰心が、今なお生き生きと息づいているが感じられる。
 その石の彫刻の技量も素晴らしいのである。
 ついつい その石の彫刻を 撫でたくなってしまういとおしさが感じられる。

 木の彫刻、石の彫刻を抜きにしては、ネワール族の宗教文化を語ることが出来ない
 くらいに、これらの彫刻は、ネワール族の信仰生活の中に根付いてきたものだ。
 それは、セレモニー仏教に成り下がってしまった日本の仏教とは 明らかに異なる
 信仰の姿である。
 ここにもネワール族の豊かな精神生活が伺われるのである。

 カトマンズでもお金、物に心を奪われるような時勢になってきたが、何かそれに歯止めを
 かける精神文化もあるように思う。
 
 日本の文化もなんと薄っぺらな軽薄文化になってしまったのだろう。
 あまりの軽佻浮薄さには あきれて物が言えないくらいだ。
 精神的なバランスを失った日本では、凶悪な犯罪、悪質な詐欺が日常茶飯事になっている。
 身体のことばかりにかまけているうちに 心の在処をすっかり失ってしまった日本、
 日本人の心は 死にかけていることにも気づいていない。
 なんと寒々しい心の風景を持つ日本の社会なのだろう。
 
 広場に置かれている仏塔を眺めるゆとりのある生活があれば、
 少しは変わっていたかもしれない。


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カトマンズ 街の風景 | 15:51:13 | Trackback(0) | Comments(0)